アクサンはアセントではない

フランス語のアクセント

日本語で言うアクセント、まあ英語の accent はフランス語ではそのままのつづりで読み方はアクサン、スペイン語では acento と書いてアセントです。どちらにも日本語と同じ、強勢、つまり音の強い、あるいは上がる部分という意味も、「なまり」という意味もあって、意味としては同じです。

一方実際の単語の(強勢としての)アクセントの場所は、スペイン語ではアセント記号が母音についていればその音節に、なければ後ろから二つ目の音節、あるいは語尾の子音によっては最後の音節にあります。これは非常に規則的で、例外はありません。

一方フランス語はアクセントがはっきりしない言語だそうですが、しいて言えば語の終わりにあるのだとか。

筆者の同僚の島調はスペイン大使館員をたぶらかして?!ただでスペイン語を教えてもらっているのですが、フランス語がうまい彼女のスペイン語は、抑揚がなくてとてもフラットになってしまい、筆者などの感覚からすると生気が感じられなくなってしまいます。

フランス語のアクサン記号

さてではフランス語には3種類もあるアクサン記号

accent aigu アクサン・テギュ(á)
accent grave アクサン・グラーヴ(à)
accent circonflexe アクサン・シルコンフレックス(â)

に強勢の意味があるのか、あればこの三つはどのように区別されるのかと思っていたら、発音が多少変わるものの、強勢の意味ではないのだそうです。

特にいやらしい?のが e で、フランス語では「ウ」に近い発音で(筆者はいまだによくエと読んで先生に叱られます)、一方 è é ê はどれもエと発音されますが、ちょっと発音の長さが違う程度で、筆者にはほとんど区別ができず、無論音を聞いただけでは(筆者には)書き取りもできません。

例えば君臨・統治を意味する règne とその動詞の régner (スペイン語の reinar)ではアクサンの向きが逆になったりして、一層フランス語をとっつきにくいものにしてくれていると、筆者は個人的に考えています。