Bonjour!

セネガルでは挨拶がとても大切です。朝職場に行くと、誰もが次々にオフィスをまわって挨拶を交わします。Bonjour! Ça va? というフランス語の挨拶のほかに、サムラ氏などからはいきなり「ナガデフ?」とウォロフ語で言われることもあるので面食らってしまいます。ちなみにこれは How are you? なのですが、返す言葉は「マンギフィレック」で、意味は「私はここだけにいます」だそうです。つまり、「元気だからここにいる」ということのようです。

ウォロフ語はともかくフランス語の Bonjour です。一語で表現されていますが、構造的には「良い日」で、スペイン語の挨拶 Buenos días と同じです。でもちょっと意外だったのは、Buenos días と違い、午後になっても使うことです。夕方近くなると Bonsoir に変わりますが、それまではずっと Bonjour。

bon は「良い」という意味で、スペイン語の buen に該当します。フランス語の形容詞も修飾する名詞の性と数によって変化するのはスペイン語とまったく同じです。ただスペイン語だと女性形の語尾が a に変わるところが、フランス語は一般的に e に変わります。bon の場合は、発音を整えるためなのか女性形だと n を重ねて bonne になります。

それにしても以前から不思議なのはスペイン語のほう、Buenos días です。何で複数なんでしょうか。いつもはフランス語を聞いて「何でだ!」と思うことが多いのですが、こればかりはスペイン語の表現の方が不思議です。でも去年ボリビアに行ったときにはみんな「Buen día」と単数で挨拶していました。これはこれでまた不思議。お隣の大国ブラジルで話されているポルトガル語は Bon dia(ボン・ジア)と単数なのでその影響でしょうか?

あとフランス語にあってスペイン語にはないと思われる表現に journée (ジョルネー)というものがあります。jour が単なる数えられる日であるのに対し、journée というのはその日の時間的な経過を含む、とでも言うのでしょうか。Bonne journée! という挨拶もあって、これだと「良い一日を」という意味になります。スペイン語だと Pase buen día! でしょうか。ですから出会ったときでなく、分かれるときの挨拶になります。

この née という表現、jour だけでなく、例えば年(an)などにもくっついて、Bonne année! は「新年おめでとう」あるいは「良いお年を」という意味になります。