フランス語のありがとう

フランス語であれスペイン語であれ、はたまたスワヒリ語であれ、実際に使うことを考える場合に一番先に学ぶべき言葉はやはり挨拶。「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」「どういたしまして」が最重要。そこで今回はまずフランス語とスペイン語のありがとうを取り上げます。

フランス語で名詞を使った「ありがとう」

まず英語のありがとうは、誰もが知っているように Thank you です。thank は「感謝する」という動詞で、この使い方が圧倒的のようです。が、砕けた言い方だと many thanks とか thanks a lot と言うこともあります。多分この場合は thank が名詞として使われています。

一方スペイン語だとありがとうは「グラシアス」フランス語のありがとうは「メルシー」で、一般的に使われている表現が名詞形になっています。スペイン語だと「ムーチャス・グラシアス」、フランス語だと「メルシー・ボクー」と言うように「たくさん」という意味の形容詞が付くことでそれがわかります。スペイン語だと「ミル・グラシアス」「ムチシマス・グラシアス」というような少々大げさな表現も割りに良く使われていました。

フランス語で動詞を使ったありがとう

ではスペイン語やフランス語では、英語のように動詞を使ったありがとうはあるか、と言うと、ちゃんと使われています。

スペイン語で代表的なのは「アグラデスコ・ムーチョ」というような言い方。これは agradecer 「感謝する」という動詞です。一方フランス語では「ジュ・ヴ・ルメルシー」というような言い方をよく耳にします。フランス語はスペイン語と違って主語を省略しませんから「私はあなたに感謝します」と実直に表現する言葉です。

でもスペイン語やフランス語でこうした動詞を使った「ありがとう」を言う時は、どちらかと言えば少し丁寧な表現、英語で言うと I appreciate のような表現になるのではないかと思います。でも「グラシアス」や「メルシー」ばかりでは、ちょっと軽く感じられることも多いですから、こうした動詞を使った「ありがとう」も覚えておくと、使ったときに相手が受ける印象が違ってくるのではないかと思います。

逆に、軽くてよい時に使うと文語体でしゃべっているような印象を与えてしまいますから要注意ですが。