フランス語では英語で言うところの be 動詞は être です。日本語では「○○です」の「です」にあたる部分ですね。être には実際にはもっと深い意味もあって、名詞として「存在」なんていう意味もあれば、raison d’être と言えば「存在理由」「生きがい」なんていう意味になり、この表現はちょっと難しい英語などの文中でも時折見かけるものです。英語の中にはイタリックで書いて使うフランス語がちょこちょこありますからねえ。
まあそれはともかく、スペイン語の be 動詞は estar と ser との二つがあり、 être は文字面だけ見れば estar に該当すると思いきや、変化は je suis から始まり、スペイン語の ser の活用にまあとりあえずはそっくりです。
je suis tu es il est nous sommes vous êtes ils sont | yo soy tu eres el es nosotros somos vosotros sois ellos son |
さらにフランス語の単純過去とそれに該当するスペイン語の点過去は一人称単数の変化がそれぞれ je fus と yo fui ですし、未来形も je serai と yo serè ですから、まあ本当によく似ている、というかほとんど同一のもののようです。
表現法としても、英語の can be, may be はスペイン語なら puede ser、 そしてフランス語だと peut être (発音はプテートル)ですから、やはり etre は ser に対応しているようです。
しかし、スペイン語では非常に重要な言葉である estar はフランス語ではどこへ消えてしまったのでしょう?ester という単語はありますが、estar とはちょっと違うようですし。 il est と vous êtes の二つは t が入りますから、見方によっては estar の変化、er està と vosotros estàis に近いような気もします。ひょっとすると二つがくっついたものが être なのでしょうか。