~年前

筆者は現在家族に会うためにニューヨークに休暇で来ております。

昨日ガイアナの航空会社 Universal Airlines という多分誰も聞いたことがない航空会社の、ダカール-ニューヨーク直行便に乗りました。定刻どおりの出発でしたが、どうも画面に表示される飛行機の向きが真西を向いています。ニューヨークなら北西のはず。

悪い予感は的中して、やがてアナウンス。「ようこそガイアナへ。当機がガイアナ経由になったことを事前にお知らせしなかったことをお詫びいたします」。と言うわけでアフリカから南米経由でニューヨークに到達しました。初めて大西洋を渡りました。

筆者の息子は、毎日メキシコ人がやっている託児所に行っています。今日は妻と共にそこまで息子を送りに行ってきました。そこでは

「あら、久しぶりねえ。息子さん大きくなったでしょ?」

なんていうやり取りが当然かわされたわけですが、ついつい「ウイ」とか「メルシー」という言葉が先に出てしまいます。スペイン語で話しかけられてフランス語で答えている日本人の姿は、もし誰かがはたから見たらわけがわからないでしょうね。

さて「久しぶり」というような表現を今回は取り上げて見ます。

スペイン語では○○年前というような表現に英語なら do あるいは make にあたる動詞

hacer

を使い、例えば5年前なら

hace cinco años

というように表現します。

フランス語にも良く似た表現方法があるのですが、こちらは「~がある」という表現を使い

il y a cinq ans

と表現します。

そして

hace mucho tiempo!

つまり「ずいぶん前に」という表現は

il y a longtemps! (イリヤ・ロンタン)

となりますが、「久しぶりだねえ!」というニュアンスだとこのほかにも

ça fait longtemps! (サ・フェ・ロンタン)

という言い方も用いるようです。こちらは do に近い faire を使っていますから、意味的にはスペイン語の hacer と同じような表現方法もあるわけです。ただ同僚の島調の表現を聞いていると「久しぶりだねえ!」という意味では、
il y a ~ よりも ça fait ~ を多用しているようです。

これのフルセンテンスは

ça fait longtemps que je ne vous ai pas vu.

となります。vous は「あなたに」を示す目的格の代名詞で ai は avoir の第一人称単数、vu は会う、voir、スペイン語だと ver にあたる単語の過去分詞です。スペイン語に直訳すると

hace mucho tiempo que yo no le he visto (a usted)

となります。スペイン語でこんな言い方をしているのを耳にした記憶はありませんが、意味はわかるかと思います。

longtemps は想像がつくと思いますが、英語の long time の意味です。「長い」は long で、英語と共通です。発音は「ロン」ですが、女性形になると longue となり、英語の「ロング」とほとんど同じような発音になります。

一方「短い」は court ですから、スペイン語の corto に似ていますね。