Poco a pocoの意味

ポコ・ア・ポコ(poco a poco)の意味は?

スペイン語でよく使う表現の一つが ポコ・ア・ポコ(poco a poco) だと思います。poco a pocoの意味はご存知かと思いますが、「少しずつ」「一歩ずつ」「ゆっくりゆっくり」のようなニュアンスです。音楽用語としてのpoco a pocoは、イタリア語起源だと思います。ま、イタリア語でもスペイン語でもポコ・ア・ポコは発音も意味も同じだということですね。言葉の面白い響きから、ポコ・ア・ポコという言葉が日本でお店の名前に使われているのも時々見かけます。

フランス語でポコ・ア・ポコにあたるのは?

さて筆者の職場にときおり顔を出すフランス人のお兄ちゃん(いや、もうおじちゃんか?)がいます。彼は筆者に向かって必ず「フランス語はどうですか?」と聞くのですが、筆者の答えは常に

petit á petit (プティ・タ・プティ)

つまりスペイン語の

poco a poco

に該当する言葉です。

pe の e にはアクサンがないので発音は「プ」になり、単独では無声の t は後に á が来るので「タ」と発音されます。

言葉の響きも似ているので、同じ表現だと思っていたのですが、ある日ふと気が付きました。

スペイン語の poco は

un poco
un poco de
poco
poco de

などという表現があり、「少し」「少しの」「ほとんどない」などの意味になります。つまり英語の few と little とを兼ね備えた単語です。

これに該当するフランス語の単語は peu で、やはり

un peu
un peu de
peu
peu de

などとして使われ、意味的にも poco とほとんど変わりません。

一方 petit a petit に使われている petit の方は、元々は「小さい」という意味で、言わばスペイン語の pequeno (ペケーニョ)により近い単語です。

フランス語の petit は日本で「プチなんとか」と言うときに使われるのでなじみがあるかと思います。

そう、似ていましたがフランス語とスペイン語では表現の仕方が違っていたんですねえ。

でも万が一、と思って調べてみたら

peu á peu

という表現で「少しずつ」を表すのもフランス語にはありました。ただ今のところ一度も見かけたことはありませんが。

さらに面白い表現として petit と peu を重ねた

un petit peu

という言い方がありました。これは「ちょっとだけよ」というときに使う

un poquito

の意味のようです。