パ pas

前の発行からまたまた随分時間がたってしまいました。仕事が本業も副業も(何が本業で何が副業?)いそがしい状況が続いている上に、毎日ダイエットのためにプレステ2の Dance Dance Revolution で30曲くらい踊っているので、そのため疲れてしまう?!からもあります。

それともう一つ大きな理由には、フランス語圏にやってきて時間がたち、フランス語が全然うまくならないわりには初期の頃の新鮮な驚き、とか、好奇心とかが薄れつつあることもあります。まあしょうがないと言えばしょうがないですね。

本当はメルマガをあと3誌くらい出すアイデアは持っているのですが、地獄を見そうなので見送っているところです。

さてそれはともかく今回のお題は「パ」です。そう、フランス語で否定の時に使う pas です。

スペイン語とフランス語でよく似ている表現に「知りません」があります。

(Yo) no sé.

Je ne sais pas.

スペイン語では「ノ・セ!」を非常によく聞きますし、筆者もよく使っていました。この思い出としては、筆者22歳の時に某国の地方都市で友人宅にいたとき、遊びに来た現地の女の子が筆者の顔をしげしげと眺めて

Porque eres tan guapo?

と聞いたのです。筆者は当時結構ハンサムでした。いきなり不意打ちのように若い女の子にそんなこと言われた筆者は焦りまくり、口をついて出てきた言葉が ¡No sé! でした。

あとであのとき ¡Es para ti! (君のためだよ)くらい気のきいた言葉を言っておけばよかったと後悔しましたが、若かりし山出しの?筆者にはその余裕はありませんでした。

閑話休題。

話を戻してフランス語を齧ってすぐにスペイン語に似ているので

Je ne sais pas.

は覚えてしまったのですが、どうもこの最後の pas がしっくり来ません。もちろんフランス語では否定文を作る時にはお定まりのように付いてくる単語です(他の単語に変わることもありますが)。

では pas はいつも否定語の ne と一緒に使われるかと言うとそうでもなく、例えば

pas encore (パザンコー)

で「まだ」という意味になります。スペイン語なら todavia no でしょうか。これ以外にも

pas cher

で「安い」とか、

pas de problem

で「問題ない」とか、口語では否定文の頭を省略してしまって、英語で 「not なんとか」「no なんとか」という表現を使うような感じで pas を使うようです。

上にあげたものは結構よく耳にする成句のような感じがしますが、先日は、筆者の家で働くお手伝いさんのジュリエットさんに「今晩は外食するよ」と言ったところ、

pas ici?

と聞き返してきました。「ここ(うち)じゃないのね?」という意味ですが、どうやら pas は口語では否定したいものの頭にくっつけてかなり自由に使って良いようです。英語やスペイン語みたいに no とか not に該当する ne を使わずに pas を使う、というのがどうも最初とっつきにくかったのですが、慣れてしまえば同じようなもののようです。